青物の餌釣り
アジを釣って生簀で活かしておいて、青物のポイントに移動して釣る「泳がせ釣り/呑ませ釣り」と、釣り場に居るイワシやアジを太仕掛のサビキで釣って、そのまま大物が掛かるのを待つ釣りの「落とし込み釣り」の二通りの釣り方があります。
潮の流れている方が魚の活性が上がり、釣れやすくなります。干満差のある大潮か、大潮後の中潮が時合いが長くなります。
泳がせ釣り〔呑ませ釣り〕
初冬などジグに青物が反応しない時で、泳がせ釣りにしか釣れない事もあります。ジギング&泳がせという感じでの出船形態もございます。青物釣りをする前に、船中の皆様で協力してアジを釣ります。理想の40~80匹程度アジを確保したら青物のポイントに行き、ハリス10号前後の呑ませ仕掛と鉛60号を使って釣ります。
仕掛を下ろして青物が釣れるのを待つ釣りになりますので、ジギングのように体力的な負担が少ないのが魅力です。比較的簡単に大物釣りを楽しめます。反面、準備等手返しに手間取ることも多いので、時合いの短さもあり、数が伸びにくいこともあります。
寒の入り以降3月いっぱいまでの水温が下がる時期だと、餌となるアジの釣果が悪く泳がせ釣りが成立しない場合があります。状況が一日にして変わる場合もあり、餌の確保が出来なければ出船を見合わせざるを得ない場合もございます。
餌をつけて仕掛を投入している状況では、必ず竿は手持ちとします。置き竿にして目を離すと、竿を持っていかれることもありますので注意が必要です。
釣り方
青物のポイントにつくと、鈎にアジを付けて一斉に仕掛けを投入します。餌のつけ方は上あご掛け、背掛け、鼻に通すなど幾つかの方法があります。餌が痛まないのは鼻に通すですが、外れていなくなることも多いので、上あご掛けか、背掛けが無難です。ただ、サイズの小さいアジで背掛けをすると、弱りが早くなる傾向があると思います。
水深も流れもあるので、仕掛投入のタイミングがずれるとお祭りの原因になる場合がありますので、船長の「仕掛をおろして下さい」の合図で、同船者全員が仕掛の投入が出来るように用意しておくのがベストです。
鉛が着底したら、リールのハンドルを3~5回転して海底から3m上を探るつもりで底取りを行います。鉛を海底に着けたままにすると、確実に根掛かりか、お祭りになりますので、時々海底を確認しながらアタリを待ちます。
魚が釣れないまま仕掛を回収した場合は、船の移動中はバケツの中でアジを活かし続けます。
誘い方としては、アジが元気に泳ぐようにコントロールすることです。適度なテンションを掛けてアジを泳がせたら、テンションを抜いて自由に泳がせて誘います。船長の「船の下に群れが居るよ」などのアナウンスのときにアジを泳がせることで釣れる確率は大きく上がります。底取りの調整などに電動高速巻きの多用など、アジに余計な負担をかけ続けると、アジが弱ってしまい釣果に繋がりにくくなります。
餌のアジが青物に追われて竿先がつんつん引っ張られるような前アタリがでたら、ワクワクしながら竿先がしめ込まれるのを待ちます。本アタリ〔強い引き〕がでたら大きく一回あわせてやり取りを開始します。
瀬の釣りの場合、釣れた魚が上がるまではそのまま船を流し続けるので瀬波の中に突入します。潮が大きい時の瀬波は、波高2m近くあるので入ると船が大きく揺れますので、釣られている方は勿論、他の方が釣れている場合も転倒・落水には十分注意して頂ければと思います。瀬波の10m手前くらいから根掛かりのリスクは大幅に高まります。波の音が聞こえれば、仕掛の回収の参考にして頂ければと思います。
魚が浮いたら、スイベルのTOPガイド巻き込みに注意しながら、ラインを手繰って船長にタモ網ですくってもらいましょう。
鈎を外すときは必ずプライヤーを使います。素手で外していて魚が暴れて、鈎が手に返しまで刺さると病院での対応となります。
落とし込み
瀬戸内では、沖縄で使われている、ぐるくんサビキを使用してイワシを釣ってそのまま待つ釣りが行われています。
ハリスを太くした一般の落とし込み仕掛は、小さいカタクチイワシが付きにくいので注意が必要です。
晩春や秋口などイワシが居る時だけ成立する釣りになります。ジギングに比べてイワシが釣れるのを待って、イワシが仕掛についたら青物が来るのをドキドキしながら待つ釣りなので、体力もあまり使わず大物釣りが楽しめます。
注意点は何時でもできる釣りでは無い、というところです。
竿は必ず手持ちとして、置き竿は避けましょう。
魚を外すときは必ずプライヤーを使います。